2019年11月30日土曜日

快適に読めるおすすめの漫画

快適に読めるおすすめの漫画ってありますか?という質問をもらいまして、せっかくこういう場所もつくったしまとめてここに書こうかなと思ってここに書きますということです。(?)
文脈としては宇崎ちゃんの献血ポスター問題において篠原健太先生が「完全に性的でない女性を描こうとすればそれは男性的と同義になる」といった発言をされそこからアワワ…アワワ…………という感じになったときにいただいたご質問でした。
ただわたし、長年の内面化が抜けきっておらず、面白いと思いながら読んでいる場合どうにも"引っかかる"ところを無意識にスルーする癖があるようで(本当に気がついてなかったりもすると思う)、いざ聞かれると自信を持っておすすめできる漫画がいまいちわからないというのが今回わかりました。なのでもしかするとあまりご期待に添えないラインナップになってるかもしれません…

鬼滅・呪術廻戦・金カム・犯人たちの事件簿は読んでらっしゃるとのことで抜いて、できれば少年漫画とのことなのでそんな感じで思い浮かんだものを書いていきます
せっかくなのでだらだら書きます

『ジモトがジャパン』|集英社『週刊少年ジャンプ』公式サイト
ジャンプからは断然ジモトがジャパンです。(最強のほうに移籍しちゃいましたが週刊にも4コマが毎週載っている)
「地元ネタ」というステレオタイプのかたまりでウケをとるギャグまんがだからこそいらんところで人を踏まないように考えながら描かれている気がするまんがです。たまにスレスレのところネタにしてくるな〜!!という時もあるんですが信頼の貯金で安心して読めるというか…(露出狂の話とかだいぶヒヤヒヤした)
残念なのが顔や造形が「オモシロ」なキャラはそこをネタにしてよいということになってるらしいところで、ギャップ狙いといえば良く聞こえるけどダメだよな〜と思うところはありますね…
アニメもやってますがおはスタの5分枠ですごい早口です

CYNTHIA THE MISSION 1巻 |無料試し読みなら漫画(マンガ)・電子書籍のコミックシーモア
シンシアザミッション。
10年以上前に完結したものなのでさすがに古さはあるんですけど読み返してみたらすげーよかったので…最終巻が2008年だった
一切踏まれないかというとン〜……というところもあったんですがせっかくだからおすすめしたいし書いておきます
当時のわたしはこのまんがにバトルとお話の面白さとエログロと萌えしか見ていなくて、作者の後書き(すごい長文なんですよ)などでうわっすごい"思想"だ…あんまり作者には深入りしないようにしておこう!とか思ってたんですよ…
それがここ最近、宇崎ちゃん献血ポスター問題ですね、あの辺りで高遠先生のツイートがたまに目に入るようになりまして、そしたらめちゃくちゃ"わかる"というかそういうことか〜!!みたいに思ったんです あの時言ってたのこういうことか〜!こういう方向性の方だったんだ!みたいな
もちろん10年以上前なので全く同じではないと思うんですけど
なので読み返してみたらこれがもうすごく良くて…
主体性を奪われてきた少女たちが主体をその身に取り戻す戦いのお話だったんですよ…
最終巻発行から何度か読み返してたんですがようやくこれに気付くことができてびっくりしたし感動している
人をだいぶ選ぶ作風なので「快適に読める」というお題でおすすめするのもどうなんだ?とは思いつつおすすめしてしまいます
最近同作者のまんがを読んでいないので最新作読んでみようかなと思っています

イジらないで、長瀞さん - ナナシ / 【第1話】「センパイってちょっと...」 | マガジンポケット
なんか流行ってるらしい可愛い女子にイジられものです 可愛いんですよ……
最初数話がちょっとしんどいところありますが、その最初数話で「長瀞さんとセンパイでなければ大惨事だったが長瀞さんとセンパイだったのですべてが完璧に噛み合っちゃった」が見えてそのまま読ませちゃう感じのまんがです
性癖出会いからの俺たち今"恋"を目撃してるぞ!!!!への流れるような展開、最高なんですよ……
これからも安心して読めるかというと確信は実はありません…なんですけど妙にバランスが良いので妙なバランスの良さを目撃してほしさがあるというおすすめです
わたしこの作者がお絵かき掲示板に投稿した絵を置く保管庫をつくる前からず〜っと見てて…それこそ最初の投稿から見てたんじゃねえかってくらい見てて…性癖はひとを選ぶアレなんですけど、思い返してみれば欲望と同時にものすごい理性を感じる作品が多かったなと…理性で女の子をメチャクチャにしていた…理性でそれができる人間はそうしないことも当然できるのではないか…そのような思いをわたしはこのまんがに抱いている…

板垣巴留「BEASTARS」特設サイト|株式会社秋田書店
肉食獣と草食獣が共存する世界のお話です。アニメもやってる!おすすめ!声が良!
現実にある差別を"例え"に仮託して語ろうとするとどうしてもその例えの属性に引っ張られておかしなことになるな〜というのがここのところの実感なんですが、このまんがは肉食獣と草食獣が共にあるとはどういうことなのか、その場合どういう問題が発生するのか、どういう社会が形成されていくのかがとことん突き詰めて考えられていて、それでいてその社会の中に我々にもよく覚えのある"差別"がある、そういうまんがです。
そういうテーマのお話なのでめちゃくちゃ苦しくなることもありますが無意識に描かれているものではないし、そういう意味では安心して読めるし、何より面白い…面白いので…


ジャンプあれそれ
・チェンソーマン、よく呪術鬼滅と並んでそういう文脈でタイトルが出るんですけどこの作者に関してはマジで何の興味もないから逆にフラットに見えてるタイプだと踏んでるので(わりと昔からの読者です)安心できるかというとそうでもないんじゃない!?と思っています 「妹(おそらく弟でもよいが妹のほうがよさそう)」のいる「兄(もしくは姉)」への異常な関心は確かです 「男」と「女」の差、図鑑で読んだよ〜くらいの興味しかないんじゃないか…?
・約束のネヴァーランド これもよくそういう文脈でタイトルが出る 主人公が女である必要性が特にないところなんか熱いよな〜!と思います あまりわたしと"合う"ところがなくのめり込めてないまんがなんですが面白いのは確かだし安心感はあります。
・ブラッククローバー これも比較的、けっこう、フラットでよいです お話も面白い。展開が非常にスピーディーで無駄がなくスマート、それでいて駆け足さを感じさせることもほとんどない謎の独自性がある 悪い例として出されることの多い温泉回は「のぞきを悪いこととして描かなかった」が原因なんですけど、2017年に(基本的にかっこいい存在として描かれている)上司からのぞきを提案されてきっぱり断る姿や興味を持たない姿を描いたことは評価に値するところだと思うんですよね…

あまり数も挙げられなかったしぱっとしないまとめになってしまった。もっと意識して読んでいきたいです(反省)