バチバチにネタバレをするよ!
積んでたゲームとかクリアして、次楽しみにしてるドラクエ3まで1ヶ月ちょっとあるな〜くらいの時にふと「リメイクとかリマスターとか昔のゲームばっかりやってる気がする、これはよくない、すごい最新のゲームをやらなければならない」という思いに駆られたKB。
PSストアのセールを見ているとこの「サイバーパンク2077」が目に留まり、フォロイーがすごい推してたな〜と思って買ってみたんですがドハマリして300時間プレイした(これ書いてる間に350時間になった)。3周しました。
魂の自由についての話だったから……
2077年のサイバーパンクな街「ナイトシティ」で成り上がろうと夢見る傭兵「V」がひょんなことから大企業から盗み出したチップを頭に入れることになり、チップの中に保存されていた50年前の伝説的ロッカー&テロリスト「ジョニー・シルヴァーハンド」の人格と同居するハメになっちゃった!このチップをどうにかしないと脳がジョニーの人格に上書きされて乗っ取られちゃうぞ!みたいな話。
ジョニーも最初はVの体を乗っ取って蘇ろうと考えてたんだけど、ややあってVはチップをどうにかして生き延びたい、ジョニーはVを自由にしたいという同じ目的に向かって一緒にあれやこれやすることになる。
全然気が合わない、後天的に魂をくっつけられたふたりの、たぶんほんの数ヶ月のお話。
キャラメイクも細かくできて面白かった!三周分のVを記録します。
三種類から選べる出自は「ストリートキッド」にしました。ナイトシティ生まれストリート育ち。悪いやつはだいたい友達。
出自によって固有選択肢がそれぞれ出現するんですがストリートキッドのVはナイトシティの事情に詳しく知り合いも多い。
パンセクシャルのつもりでプレイしてた。一番推せる恋愛可能相手はゴリゴリのレズビアンだったため袖にされた。
途中手に入るかつてのジョニーの衣装セットはこのVが一番似合ってた。
ゴリラアームとクイックハック主体の育成。一人称視点の銃が初めてでめっちゃ難しかったので肉体勝負と敵の脳ハックに振ったのでした。
二周目のV。声も女に設定。このVはレズビアンのつもりでした。
出自は「コーポ」ナイトシティでは嫌われ者の、でっけー企業勤めのエリート。社内の権力闘争に負けて金も住居も全部失ってイチからやり直すというストーリーになるんですがなんかもう元々エリート一族の生まれっぽく、正月は家族で集まって本物の魚の寿司とか食べるんだけどあたしは本物の魚は生臭くて好きじゃない(笑)みたいなこと言い出すのでストリートキッドVの一番嫌いなタイプやんけと頻繁に思った。
サイレンサーつきの銃で遠くから少しずつ敵を減らす暗殺者スタイルであった。近接はマンティスブレード。首が飛ぶ飛ぶ。
三周目のV。これはもうゴリゴリに男。バイのつもり。
出自は「ノーマッド」ナイトシティ周辺の荒野で「ファミリー」と呼ばれるコミュニティを作って移動生活をする人々のこと。Vのファミリーは解散してしまった。
ナノワイヤーと投げナイフ主体。これも首が飛ぶ飛ぶ。二周目までは不殺気味で進めてたんだけどこのVでは容赦なくシメまくった。怖かった。向いてない。
メインストーリー自体はそこまで長いものではないんだけど、受注できるクエストやそのへんで勝手に発生してるサイドクエストがめちゃくちゃ多く、それ以外にも広い街と広い荒野に散りばめられた小ネタの量が半端なくて三周しても網羅できた気が全くしないほど。
あちこちに死体が転がっていてその死体には「チャットログ」という通信記録が残されている。それでこの人物に何が起こったのかなどが察せるようになっているんだけど、これが本当に量が多いし話が細かい。映画なんかが元ネタのものも転がってるし、チャットログの中に知ってる名前があることもしばしばで、あいつこんなこともやってたんか!とかあのクエストってそういうことだったのか…とか、もう探し始めると病みつきになってしまった。日本の企業で育成されていた忍者の兄弟が刺し違えて死ぬところとか見れるし。忍者を育成するな2077年に
これらはたいてい路地裏とか変な隙間入ったとことかビル登っていったところとかにあるので、一周目は終盤までそういうのにあまり気付かずずっとバイクや車でサクサク移動していたのだが……二周目からはほとんど移動にバイクや車を使わなかった。徒歩だった。恐ろしいことに、スキル振りでできるようになる空中ダッシュが最も速い移動手段であり、地上ダッシュと空中ダッシュを繰り返すことでとてつもない速度で移動しつつ気になった路地裏などにシュッシュッと入ってなんか落ちてないかを探すことが可能になるのであった。街中や荒野を空中ダッシュで駆け抜けるVは端から見たらかなり怖かったと思う。
でも本当にこのチャットログ探しや依頼クエスト、サイドクエストに横の繋がりがかなりあるので没入感がすごかったというか…この街に人々がみんな生きているという感じがものすごくて、気がついたら300時間プレイしていたのでした。依頼で殺さず見逃した人物の死体があとで見つかったりしてさ…
チャットログ、本当に会話しか残ってないのでそこで実際いつ何がどうして何があったのかはログと現場から類推するしかないのも想像力掻き立てられて良かった
とにかくずっと魂の自由についての話をしていて俺は好きだよそういうの!俺は!好きだよ!!!!!!と興奮しっぱなしだった。金があろうが名誉があろうが、魂が自由でなければ意味がない。逆に真なる魂の自由さえあればそれは人生における勝利なのだ。DARK EDGEだな!
ナイトシティから出ていくことも明確に「勝利」として描写されているように思った。あの街にほんとうの魂の自由はないのかもしれないな。ジュディVSナイトシティはジュディがナイトシティに見切りをつけて出ていくことでどのEDでも完璧な勝利を見せていたし、色々吹っ切れたケリーは世界を股にかけた大成功をし、月へ行ったソミはずっと奪われていた魂の自由を獲得し、ミスティもEDによっては再脱出をするし(2年後にああするのなら、どのEDでもVがいなくなったあとにはああなるのかも)。なのでVの体で生きていくことになったジョニーが街から出ていくのも、悲壮感を漂わせてはいるけど勝利ではあるんだろうなあ。ナイトシティにとどまり続けるリバーはVがいなくなると破滅一直線っぽかったし…
どうあがいてもVとジョニーが同時に存在し続けることはできない、というのはショックだったな。Vの体はジョニーに適合するようチップに書き換えられていってるのでVが生き続けることもできないというのも無情すぎるだろ!!!と思った…唯一の生存ルートも何もかも失うことになるし…でも塔エンドはジョニーからの別れの挨拶がめちゃくちゃ良かった(ここでVの本名を知ったのですごいびっくりした。そらジョニーは知っとるか…)ソミの魂の自由を奪うことで得られるエンドなのでそらまあそうか感はあるか…
悪魔ルートの無情感もすごかった。プレイヤーはどうしたってVが早晩死んでしまうのはわかってるけどV自身にはアラサカではなくオルトの提案に乗れば助かったのかもしれないって後悔が最後まで付きまとうことになるんだよなと思うと本当辛かった。「Never Fade Away」を口ずさむV、良かったな…
案内してくれるアラサカの人が「京にても京なつかしやほととぎす」と誦じるのがVの状態を表しててスゴ!と思ったんだけど何がすごいってこれで日本のゲームじゃないのがすごいよ。よく出てきたな京にても京なつかしやほととぎす
星ルートは出自ノーマッドのVには絶対このルートだと思うんだけどアルデカルドスの仲間が何人も死んじゃうのが厳しすぎる。これもみんなであばよナイトシティエンドなのでやはりナイトシティからは出ていかないとなんだな。
太陽ルートもローグを失うのは嫌すぎるので面白かったけど選びたくないルートだったな〜!このルートだとジョニーがVの体を動かしてラスダン突入なので、そのせいかオルト(ジョニーの元カノ。サイバー空間で半AI化している)の手助けが一番手厚かった気がしてオモロかった。星ルートだともうちょっと敵残ってなかった!?ぜんぜんぜ〜んぶ焼いとるやん
なので一番好きなのは単身アラサカタワー突入の死神ルートです。パナムやローグにそっぽを向かれてもいい、みんなに生き残っていてほしいから…ここからの節制エンドが最大のハッピーエンドだとわたしは思った。
節制エンドというのはジョニーにVの体を渡すエンド。途中のイベントでVはジョニーのためなら代わりに銃弾を受けられると話すし、無情な選択肢をつきつけられて最後に親友に、(後天的でも)魂の片割れに自分の体をあげるというのは一番しっくりくる選択だった。街一番のお人よしだしね、V
ジョニーが鏡を見てああ、V……と絞り出すように嘆くのもグッときた。ジョニーはこれから一生鏡を見るたびにVのことを思い出す。Never Fade Away!ナイトシティを出ていく姿が悲壮なだけで、街から出ることは勝利なのだからジョニーは終わりない反抗心から解放されて新しい人生を生きていくんだなと思ったよ。外でだって音楽はいくらでもやれる。Vの友人たちとも自身のかつての仲間とも連絡を経って出ていくのは罰のつもりかな。Vは気にするなよって絶対言うと思うでジョニー!
Vはブラックウォールの向こう側できっとなんとかやっていくよ。魂がここがいいと叫んだんだよ
ジョニーはケリー(50年前一緒にバンドやってた仲間)にど〜〜〜〜〜〜う見たって恋しとったんやんけと思ったんですけどどうなんですかね。ジョニーにとって性と恋愛は強固に結びついたものなので性愛を抱けない相手は「そう」ではないと思い込んでただけであんなん恋やろと思いましたよ。ケリーがゲイ寄りのバイっぽく、明確にジョニーに性愛を向けていたので余計そうなっちゃったんだろうな。それには応えられないからって…初めてケリーの家に忍び込んだときに愛おしそうにいろんな思い出を語るジョニーが本当に良く、もしかするとわたしがジョニーのことすごく好きになっちゃったのってこの辺からかもしれん。
で、ここまで書いたところでもう追加要素のあるアプデはないって話だったはずのところにサプライズアプデがあったため全てを中断して2周目データでやってなかったDLC「仮初の自由」をやっていました。いいよなサブタイトル「仮初の自由」…
これは色々あって死にかけてるソングバードさん(本名ソン・ソミさん)からVの命を救う手段があるので手助けしてくれと要請され、ナイトシティの一角(といってもだいぶ広い)を占める壁に囲まれた独立エリアを舞台にソミとソミを追う新合衆国に振り回されまくる話で、4種ある結末のどれもが「仮初の自由」ですね…という感じだった。唯一のV生存ルートがあるけど魂の片割れを失い戦闘能力の全てを失い人間関係のほとんど全てを失い群衆に消えていくエンドなのでもうちょっと手心をさぁ!!!!!!
一番好きなのはやっぱりソミ宇宙へ!エンド。延命の切符一人分しかないねんと最後の最後に告白されて「嘘なんかつかなくても手を貸したのに」って言うVがマジで良い。んなわけあるかい!!!!と思うんだけどVってば街一番のお人よしだからな。ソミと最後に待ち合わせした場所にビデオレターがそっと残されていて、それ見て満足そうに「うん」みたいな声出すVがマジで良い。
このDLC内のクエストはことごとくどっちを選んでも後味が悪いとかどっちが正しいとも言えないみたいなものが多くモヤモヤさせるので一貫性ある〜と思った。それでも選び続けて生きていかねばならぬ。
ソミが月からお土産送ってくれるのマジで良いよな。そっちもAIがウヨウヨしててヤバそうやけど頑張ってな。
一番気に入ってるセリフ。どっかのルートの最後にジョニーが言うやつ。
「迷った時はそれが帰り道を示し、粉々に砕け散っても自分を繋ぎ止めてくれる。ジョニーがVから学んだことさ。体をクロームと入れ替えようが、BDの幻想に逃げ込もうが、これだけは変わらない。そいつが何者なのかを決めるのは、結局何を信じ、何を守って生きてるかだ」
魂の自由の話なのであった。